AIが残した記録のうち、送信に触れた23件のなかで、15件は「初回の宛先」で送信が止まったものだった。私たちの会議後フォローの記録の数字である。問い合わせ 返信 AI 下書きを使うなら、人が送る前に確かめる一点は、文面より宛先だと私たちは見ている。
2026年10月13日、株式会社ベーシックが問い合わせ管理ツールformrunの新機能「AIメールエージェント」の提供を始めた。自社のナレッジと過去のやり取りをAIが調べて返信の下書きを作り、参照した元も一緒に表示する。自動では送らず、送信は担当者が内容を確認してから行う(出典:PR TIMES、2026年10月13日)。
参照元が見えると、文面の確認は軽くなる
どの過去対応を根拠にした下書きかが見えれば、文面の誤りは人が拾いやすい。確認の仕事を軽くする設計だと、この発表から読み取れる。
見えにくかったのは、誰に送るかだった
私たちは会議のあとに、AIが共有メールの下書きまで作る仕組みを無人で回している。送信ボタンは人が押す(AIは送らない)運用にしてある。2026年9月22日から10月13日の22日間で、実行は92回。AIが「人手が要った箇所」を記入したのは71件で、そのうち送信に触れたものが23件だった(自社台帳の実測、10月14日の集計。語の一致で数えた概算)。
23件のうち15件は、「初回の宛先」で送信が止まる設計に当たったものだ。過去に送った実績のない宛先は、下書きができていても、そのまま送らせない。ほかに、予定の参加者欄が空で、AIが宛先を補った例もある。補った宛先が正しいかどうかは、文面をいくら読んでも分からない。
問い合わせ返信でも、同じ形が起きうる
問い合わせの宛先は届いたメールの差出人なので、会議よりは特定しやすいと思われる。ただ、転送された問い合わせ、複数人が同報されたスレッド、別の担当者へ回った案件では、返す先が変わりうる。参照元の表示があっても、宛先の根拠を見せる仕組みかどうかは、発表の範囲では分からない。
導入前に決めるのは、送信前の確認項目を1つ増やすこと
返信を送る担当者が、文面の前に見る項目を決める。宛先は差出人と一致しているか。一致しないなら誰が決めるか。この1点を、確認の手順に書いておく。
私たちは、この確認を入れたあとに誤送信がどれだけ減るかを測れていない。そもそも、この記録では誤送信そのものを数えていない。


