新しく入った担当者から「隔日でしか報告が上がってこない」。さぼっているのか、仕組みの問題か。決めつける前に、確かめることはないだろうか。
実はこれは、私たちの会社でAIの定期実行に起きたことである。
結論を先に言う。規則的な欠落は、規則的な故障に見える。しかし直す前に、「いつから始まった仕事か」と「誰が書いた記録か」を見ると、故障ではないことがある。
隔日に見えた3行
自社では、経費の仕訳がまだ付いていない明細が何件あるかを、毎晩1行、台帳に残している。9月下旬に見えた行は、9月23日、25日、27日の3行だった。24日と26日が無い。定期実行が一日おきに落ちている、と読むのが自然だった。
直す手は数十分で打てた。ただ、その前に確認を2つだけした。
確認したのは、実行履歴と記録の出どころ
1つ目は実行履歴である。この定期タスクの総実行回数は1回で、9月27日22時40分の成功だった。それより前の実行履歴は、そもそも無い。
2つ目は、各行の備考である。9月23日と25日の行は、定期実行ではなく、AIが手で数えて書いたものだった。
並べ直すと、手動の2行と、定期タスクの初回が、偶然一日おきに並んでいただけだった。落ちたのではなく、走る予定が無かった。9月29日の夜には、27日・28日・29日の3行が連続して並んでいる。作り直しは不要だった。
人の職場なら、こうなる
ポイントは、新しい担当を、前の担当と同じ物差しで測らないことである。
たとえば日程調整の報告が数日空いたとき、その人が着任したのはいつか、空いた日の分は別の誰かが代わりにやっていないか。それを見ずに指導に入ると、問題の無い人を疑うことになる。
もう1つ、同じ仕事の決裁が2枚、重複して載っていた。同じ仕事が2件に見えると、未完了の量が実際より重く見える。数え方の問題である。
言えることは、まだ小さい
今の3行が示すのは、「定期実行が3晩続けて動いた」ことだけである。1か月続けて、はじめて故障の有無を語れると私たちは考えている。それまでは「動いている」ではなく「3回動いた」と書く。
自社で確かめる3つの問い
- 欠落や遅れを見つけたとき、直す前に「いつ始まった仕事か」を確認しているか
- 記録は、誰が・どういう手段で書いたかを区別して残しているか
- 同じ仕事を、2つの管理表で二重に数えていないか
2つ以上「いいえ」なら、見直す余地があるかもしれない。目安であって実証ではないが、AI診断で確かめてみてほしい。


