社員のリスキリングで、生成AIの研修を先に組んでいないだろうか。「リスキリング 生成AI」で検索すると、研修の案内が並ぶ。だが、先に決めるべきなのは研修ではない。
2026年10月7日、医療機関向けのITサービスを手がける株式会社ITreatが、部門横断の「AI業務効率推進チーム」を9月に発足させたと発表した。注目したいのは進め方の順序である。同社は「AIの勉強から始める」のではなく、各部署へのヒアリングで実際の困りごとを洗い出し、テコ入れすべき箇所を特定してから、必要な知識と手段を入れるとしている(出典:同社のプレスリリース、PR TIMES・2026年10月7日)。
研修より先に、使う場所を決める
同社のチームは2027年3月までを活動期間とし、期間終了時点で業務効率の改善幅を定量的に検証するとしている。効果は、まだこれから測られる段階である。
つまり、ここで言えるのは「棚卸しから始めた」という順序までだ。その順序が成果につながるかどうかは、この事例からは分からない。私たちも断定はしない。
順序を間違えると、手戻りが増える
ただ、順序を間違えたときに何が起きるかは、自社で見た。自社では、AIに任せた資料づくりで、合格の基準を仕事の「後」に見せていた。その結果、作業のあった5回のうち4回がやり直しになった(自社計測、9月28日〜10月4日)。
社員研修の話ではなく、中身(何を書くか)は合っていた。先に渡すべき基準を後回しにしたことで手戻りが増えた、という点で、先に決めるべきことを後に回したときの構造は同じだと私たちは考えている。
では、研修の前に何を決めるのか
結論を先に言うと、研修の前に決めておくことが3つある。
- 何を任せるか:どの業務に生成AIを使うのか
- 何をもって合格か:出来上がりを誰がどんな基準で見るのか
- どこで人に戻すか:やってはいけないことと、迷ったときの戻し先
3つの中身と、業務の棚卸しで見る点は、後編で書く。


