たとえば月曜の朝、SNS担当者のスマホに「今週の投稿が3本できました、確認して承認してください」という通知が届く。承認を押せば、予約は完了する。これは私たちが置いた想定の場面で、特定の製品の画面ではない。
「SNS運用 AI 自動化 承認」で10月17日に検索すると、1ページ目では複数の記事が承認を投稿前に置く設計を紹介していた。10月14日に正式公開されたカッテニ(株式会社Sunshore)も、その形に近い。発表によると、題材選びから台本、動画編集、複数SNSへの予約投稿、分析までをAIが進め、利用者は完成した投稿を確認して承認する。
承認の画面は、投稿の前にしかない
この形では、人が判断する場所は投稿の前に置かれる。人が見るのは「出してよいか」である。
当社も同じ形で、読みものを毎日出している。書くのはAIで、公開の前に別のAIが査読する。10月11日から16日に出した6本は、すべて1回目の査読で差し戻された(実測)。投稿前の門は、よく働いている。
出したあとは、別の門が見る
同じ記事を、出したあとの数字で見る。公開は43本、9月2日から10月16日までに30秒以上読まれた記事は累計3本だった(実測)。直近7日の検索の表示は16回、クリックは6回。診断ページへのリンクのクリックは28日で0回である(いずれも実測)。
査読は文章の誤りを止める門で、読まれるかどうかは判定しない。査読の厳しさと読まれた本数の関係は測っていないが、効果を見る役割は査読にない。
数字を見て直したのは、記録で確かめられる1件
出したあとの数字を見て、基準を直した記録がある。9月27日の集計では、1回の訪問・28表示で23本が「読まれた」と数えられた。9月28日に、基準を訪問数から30秒以上読まれたかどうかへ改め、同じ条件で測り直すと、延べ25本が「開かれた」うち「読まれた」は2本だった(記録)。
この直しは、決裁(番号663)として記録されている。AIは数字を毎日集めるが、集める基準が甘くないかを見直す仕事は、承認の画面の外にある。
導入の前に、先に紙に書くこと
SNS運用にこの種のアプリを入れるなら、承認の速さより前に、出したあとの門を3つ決めておきたい。
- 何を「効いた」と数えるか。表示でなく、読了や問い合わせなど
- 数字を見る間隔と、見る人
- 数字が悪かったとき、題材や投稿数を変えてよい人
私たちはカッテニを試していない。43本の反応が薄い理由が、題材か検索語か期間かも切り分けていない。この記事が言えるのは、投稿前の承認と投稿後の判断は別の仕事だということまでだ。導入するなら、最初の28日は投稿数を増やさず、28日後に誰が方針を変えるかを1行書くことから始めるのがよいと思われる。当社の測定は、7日と28日の窓で数字を見ている。


